一般的に「空室対策」として挙げられる主な方法は、こまめな物件管理による入居者満足度の向上、退去者が出た後の速やかな募集活動、設備の新調、内装のリフォームなどです。いずれもアパート建築後の空室対策となりますが、より高い効果を狙うためには、アパート建築前から十分な空室対策を行っておくことが重要です。
アパート建築前にできる主な空室対策を3つほど解説します。
「建築エリアの需給状況の調査」「共謀物件の間取り・家賃当の調査」「ターゲットを選定してからのアパート企画」の3つを見てみましょう。
いずれも大事な空室対策ですが、エリアの調査と競合の調査は特に重要な空室対策になります。
アパート建築を予定しているエリアに関し、様々な側面から需要と供給の状況を調査します。主な調査内容は、エリアの人口構成や世帯構成、競合物件の件数やその入居者数などになるでしょう。
エリアの人口構成や世帯構成が分かれば、建てるべきアパートの間取りや広さを適切に検討できるでしょう。また、競合物件の件数やその入居者数が分かれば、将来的な空室リスクを想定できるでしょう。
その他、近隣の工場や学校の有無なども含め、あらゆる視点からエリアの賃貸需給に関する状況を調査します。
すでに建築予定のエリアで運営されている競合物件の状況を詳しく調査します。主な調査内容は、自身が予定している物件に類似した物件の軒数、それら物件の間取りや設備、外観デザイン、駅までのアクセス、家賃などです。必ずしも競合しない物件についても、念のため調査しておくようにしましょう。
これら調査に基づき、適切な家賃相場のもとで間取りや設備等に優位性を持たせれば、長期にわたる有効な空室対策になるでしょう。
先にターゲットを選定し、そのターゲットに合わせて物件を企画するという手段も、将来的な空室対策には有効です。
たとえば、比較的若い単身者をターゲットにする場合、多少家賃を抑えつつコンパクトな部屋をたくさん設けたほうが、運営リスクの軽減につながるでしょう。無料Wi-Fi設備も有効な集客ポイントになります。
あるいは、ファミリー層をターゲットにするならば、比較的広めの間取りにすることが必須(2LDKなど)です。遮音性の高さや駐車場の有無なども、重要なポイントになるでしょう。
家賃の見直しや入居条件の緩和、内装リフォーム、設備の新調など、アパート建築後にできる空室対策は様々あります。将来、空室が生じた際、これらの対策を検討する必要が出るかもしれませんが、少しでも空室リスクを抑えるためには、アパート建築前に行う空室対策も大変重要です。アパート運営は非常に大きな投資となるため、建築に先立ち、できる限りの空室対策を慎重に行うようにしましょう。