アパート建築が節税につながるという話を聞いたことがある人はいるのではないでしょうか。しかし、資産として所有している土地や親から相続した土地にアパート建築することで本当に節税になるのか、なぜ節税効果があるのか、という疑問について明確に応えられる人は少ないのではないでしょうか。
相続した土地を活用してアパート建築する人も少なくないでしょう。では、なぜ更地ではなくアパート建築した方が節税効果があるのでしょうか。資産として所有する土地には固定資産税や相続税、都市計画税などの税金がかかります。その際に基準となるのが土地評価額。更地ではなくアパートを建築することで大きな節税効果を得ることができます。
アパートが建築された土地は、住宅用地として区分されるため、200平方メートル以下であれば固定資産税の評価額が更地の6分の1に軽減されます。200平方メートルを超えても3分の1に軽減されるため、更地や駐車場にするよりもはるかにメリットがあると言えるでしょう。
参照元:積水ハウス:(https://www.sekisuihouse.co.jp/shm-keiei/asset_guide/tax_courses/effect1/)
土地を相続する場合、アパート建築すると土地と建物の両方で評価額を下げることが可能です。貸家建付地に区分されるため、土地は更地の約80%、建物は固定資産税評価額(取得価額の約60%)で評価(※)。
(※)参照元:旭化成ヘーベルメゾン:https://www.asahi-kasei.co.jp/maison/chiebukuro/tax/souzokuzei-07.html/
アパート建築することで、固定資産税や相続税だけでなく、都市計画税や所得税、住民税なども節税することができます。眠っている土地に高い税金を払い続けるよりも、アパート建築で土地活用した方が大きな節税対策となることが理解できるでしょう。
アパート経営で賢く節税を行うためには、必要経費を上手に活用することが重要です。アパート建築は新築で行うことが多いものですが、その際には、建物価額を耐用年数で割った金額を減価償却費として耐用年数期間内であれば毎年経費として計上できます。構造別の減価償却費は以下のとおりです。漏れのないように計上して節税につなげましょう。
構造 | 木造 | 重量鉄骨 | RC造 |
---|---|---|---|
減価償却費 | 建物価額×0.046 | 建物価額×0.030 | 建物価額×0.022 |
耐用年数 | 22年 | 34年 | 47年 |
参照元:サイト名:HOME4Uオーナーズ(https://home4u-owners.jp/contents/construction-10-1120)
部屋数が10室以上のアパートであれば、事業的規模として認められるため、確定申告の際に白色申告ではなく青色申告を選択することが可能です(※1)。青色申告では65万円(2020年分から55万円)の控除額があるため大きな節税効果があります。また、家族を専従者として給与を支払うようにすれば、その分も経費に計上でき、損失があった場合に3年間の繰り越しが可能です(※2)。経費の証明となる領収書などの書類はきちんと保管しておきましょう。
参照元(※1 PDF):国税庁:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1373.htm
(※2)参照元:イエウール:https://ieul.jp/column/articles/34807/
アパート建築が節税対策になることは理解していただけたのではないでしょうか。しかし、アパート建築にいくら税務上のメリットがあるからといっても、肝心な賃貸経営がうまくいかなければ損失が生じて元も子もなくなってしまいます。アパート建築で確実に節税効果を得るためには、安定した収益が出る入居率の高いアパート、つまり入居者に選ばれるアパートを建築する必要があると言えるでしょう。