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消費税の還付について

アパート建築では建物購入に多額の費用を要するため、消費税額も軽視できないでしょう。消費税の還付を受けることは可能ですが、様々な要素が絡み合っているため還付申請することが良い策とは言えないようです。

目次

消費税の還付とは?

一般の消費者は物品を購入する際に消費税を負担しますが、直接税務署に納入するわけではありません。消費税は、事業者が売上先(消費者)から預かった消費税[課税売上にかかる消費税]から仕入先に支払った消費税[課税仕入にかかる消費税]を差し引いた分を納税することが原則となっています。したがって、事業者が支払った課税仕入にかかる消費税が課税売上にかかる消費税よりも多い場合には、確定申告により消費税の還付を受けることが可能です。

アパート建築における消費税の還付

アパート建築時には建物の購入により課税仕入にかかる消費税を多く支払っているため、消費税の還付が可能なはずです。しかし、売上にかかる消費税の対象となるアパートの家賃は非課税売上であるため、課税仕入にかかる消費税分の控除ができません。ただし、課税売上割合(課税売上を課税売上と非課税売上を足したもので割ったもの)を95%以上(売上のそのほとんどは課税売上)とすることで非課税売上に対応する課税仕入も控除することが可能となります(※)。したがって、建物の引き渡しを受ける年度の課税売上割合を高めることができれば、消費税還付を行うことは可能と言えます。

(※)参照元:国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6401.htm)

消費税の還付は税法改正により厳しくなった

以前は、アパートに自動販売機を設置することで課税売上をつくって消費税還付を受けることが少なくありませんでした。しかし、度重なる税法改正により消費税の還付は厳しくなっています。平成28年度の改正では、課税事業者が1,000万円以上の資産を購入した場合、課税期間を含む3年間は消費税が原則として強制的に課税されるようになりました(※)。

建物の引き渡し時に瞬間的に課税売上高を高めれば消費税の還付は可能となるものの、3年間を通して課税売上割合の水準を維持することができなければ、3年後に還付金を取り戻されることになります。自動販売機の売上は非課税売上である家賃収入と比べれば微々たるものであるため、消費税の取戻しが避けられない状況になっています。現時点では、通算課税売上割合を50%以上にすれば3年後の取戻しを回避することが可能です(※)。

(※)参照元:税理士法人タクトコンサルティング(https://www.tactnet.com/news/2017/No.715.html)

アパート建築による消費税の還付はリスクが高い?

消費税の還付手続きには様々な要素が複雑に絡み合うだけでなく、向こう数年間を見据えた試算により有利になるのか損をするのかを見極める必要があります。課税売上額を上げるためには、アパートに店舗を設けたり、コインランドリーやレンタルーム事業を併用したりすることも考えられるでしょう。結局、リスクが高い消費税の還付を狙うより、入居率の高いアパートで、堅実に家賃収入を得ることの方が大切なのではないでしょうか。

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